母も私、あの頃のまま止まっていた
ー今を生きられない親子関係ー
「実家に行くと母がうるさい」
実家に帰る前は、少しだけ気が重い。
そして、そんな自分をちょっと責める。
母に感謝する気持ちと、
いまだに母に文句を思う自分。
いつになったら終わるのだろうか。
ーーー
本当は実家でゆっくりしたい。
けれど、
「あれ食べて」
「これ食べて」
「お風呂入りなさい」
「まだ起きてるの?」
と言われると、
全然ゆっくりできない。
思春期を思い出す。
一人で自分の部屋で過ごしたいのに、
土足でズカズカと入ってこられる感覚。
いつまでも子供扱いされると、
「私をいくつだと思ってるの!」
と、うっとうしくなる。
ーーー
実家に帰ると、
“あの頃”が戻ってくる。
母の中で、
私は小さな頃のままなのだろう。
そして、私自身も
あの頃のままの母を見ている。
「すぐガミガミ言う人」
「何もわかってくれない人」
「どうせ否定してくる人」
頭の中のお母さんは、
20年前、30年前のままだった。
私は大人になったつもりでいたけれど、
親子関係だけは、
あの頃のまま生きているのかもしれない。
他の人には
「相手にも事情があるよね」
と考えられるのに、
家族には、
ずっと昔の不満を抱えたまま接している。
小さな頃の私を手放せない母のように、
私も、
あの頃の母の姿を握りしめたままだった。
ーーー
もしかしたら母は、
子育ての後悔を埋めるように、
今も私の世話を焼いているのかもしれない。
そして私は、
あの頃の怒りや寂しさを抱えたまま、
母を見ているのかもしれない。
母も私も、
それぞれの場所で、
あの頃をやり直そうとしている。
ーーー
お互い、
今を生きているのに、
親子の時間だけは
過去で止まっている。
本当は、ただ、
もっと普通に話したい。
一番大切にしたい人なのに、
一番嫌ってしまうことがある。
もう、この繰り返しを
やめたいなと思った。
母も昔の私を見ていて、
私も昔の母を見ている。
本当の親子関係は、
ここから始まるのかもしれない。
ーあとがき
お母さんを好きな気持ちと、
嫌いな気持ち。
どちらもあっていいのだけれど、
そんな自分を責めてしまいます。
自分の土台である母との関係。
そこから出てくる様々な感情を、
まずは自分自身が
わかってあげたいと思う

