「私は加害者の立場になっています」
― 子供は、自分のしたことをちゃんとわかっている。
「私は加害者の立場になっています」
娘が小学校高学年の頃の話です。
ある日、友達大人数で出かけて行った日。
その日の夕方、娘からLINEが届きました。
「ママごめんなさい。
今、友達と喧嘩しちゃって、私は加害者の立場になっています。
詳しくは帰ったら話します」
私は娘からのメッセージを見て、驚きました。
友達とのトラブルが起きていること。
帰宅が遅くなること。
保護者も関わるような状況になっていること。
そして何より、
自分が加害者側にいることを娘自身が認めていたことに
不思議と「きっと大丈夫だろう」と思う気持ちがありました。
私は、
「連絡ありがとう。
大丈夫だよ。後で話を聞くね」
とだけ返信しました。
心配、不安、悪い妄想…など
嫌な気持ちに感情が揺れましたが
夕飯の支度を淡々とすることにしました。
______
帰宅後に話を聞くと、
思っていたよりも大きな出来事になっていました。
被害者と加害者。
そこに保護者も加わり、感情も入り乱れていました。
けれど話を聞く中で、娘は
自分の振る舞いの中で
良くなかった部分をきちんと理解していました。
だから私はそこを責めず、事実を見て、
良くなかった点だけを一緒に確認し、
必要な謝罪をしました。
その一方で、
娘の中には誤解された悔しさや怒りもありました。
そして、私も同じ気持ちでした。
「なんで?」
「そうじゃないのに」
「わかってもらえない!」
と、言いたいことはいっぱいあった。
でも、自分の非を認めることだけに集中し
それ以上の感情を受け取らないようにしました。
必要なことはきちんと行い、それ以上は抱え込まない。
その場の感情をすべて背負うことのないよう
心の中で線を引く。そんな話をしました。
______
一番心配していた友達関係は
驚くほどあっさり元に戻り
昨夜の嵐が嘘だったかのように、翌日にはいつもの日常が戻っていました。
そして数日後には、
思わぬ方向から、娘に対する誤解が解けることになりました。
______
今回の出来事で改めて感じたことがあります。
子供は、自分のしたことを一番よくわかっている。
そして、
たとえ自分は100のうち1しか悪くないと思っていたとしても、
その1を認めて謝ることができると、
問題は必要以上に大きくならない。
娘が
「私は加害者の立場になっています」
と言った時、私は成長を感じました。
私が同じ年齢だった頃なら、
こんなふうには言えなかったと思います。
「お母さんに怒られるかもしれない。
責められるかもしれない。できるなら隠したい」
そんな気持ちの方が強かった気がします。
でも娘は、自分の非を素直に認めていました。
______
私はこれまで、娘との関りの中で
泣いたり怒ったりした時、
できるだけその気持ちを出させるようにしてきました。
そうすると、
気持ちが落ち着いた頃には
自分で気持ちを切り替えていたり、
自分で「ごめんなさい」と言ったり、
自分で次の行動を見つけるようになっていきました。
時には、私が感情的に怒ってしまう日もあったり
時には、静かに教えることができる日あったり、
たくさん失敗してきたけれど
娘の振る舞いの奥にある気持ちを
わかりたいと思ってきました。
今回も
娘が加害者側になってしまった経緯、
その時の状況、どんな気持ちだったか、
ということを聞くと
私は娘の気持ちがよく分かりました。
だから責めることはしなかった。
ただ、ダメっだっとところは「ダメだったね」と確認し
しっかり反省し、次に活かすことにしました。
______
子供同士の喧嘩やトラブルを見ると、親は心配から
「何とかしてあげなければ」と思うこともあります。
もちろん、大人の介入が必要な場面もあります。
けれど、この出来事から感じたのは、
子供は子供のやり方で人間関係を作っていくということ。
その過程を信じて待つ大切さ。
そして、
失敗した時、間違った時。
だれかを傷つけてしまった時。
自分の痛みや、本音を話せる場所があることの大切さ。
怒られるかもしれないから隠すのではなく、
苦しかったことも、恥ずかしかったことも、
失敗したことも、そのまま聞いてもらえる場所。
たった一人でも、
自分の気持ちをわかろうとしてくれる人がいるだけで、
人は安心できます。
それが自分のお母さんだったら、
子供にとってはとても心強いことなのかもしれません。
この出来事を通して、
もっと子供を信じたいと思いました。
そして、どんな気持ちでも話せる場所でありたい。
そんなことを改めて感じました。


素晴らしい記事です。難しい問題ですね。お母様も娘さんも素晴らしい👍